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関連する大学院→ サハケレアネキヨヘ_タコヌアネキヨヨアイ・-。セ|フ衲|モホマキ。ソ 環境科学コース

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 地球環境をとりまく現象は分子から地球までの空間スケールに至ります(白丸)。そしてそれらの現象は私たちの日常の時間単位から地球の46億年の歴史的時間へとつながります(矢印)。私達は、これらの自然現象を解明する(現象解明)と共に、対策技術の開発を通して、環境対応型社会の構築を目指します。

環境科学ってどんな分野?

 環境科学コースはこれまでに本学になかった新しいコースです。この新コースができた背景には、「時代の要請」があります。

 現在私たちは、地球温暖化とこれに伴う異常気象、人間活動による環境破壊や環境汚染、生物種の絶滅など様々な環境問題に直面しています。新聞を開いただけでも、「地球温暖化問題」「生物多様性の危機」「絶滅危惧種」「有害物質による環境汚染」などの言葉を目にしない日はないでしょう。しかし、一口に環境問題と言っても、実はその根本原因は多岐に渡る要因に基づく場合が多いため、その本質を理解するのはとても難しいのです。そのために、特定の知見のみが偏って一人歩きして間違った見識が広まってしまうこともあります。もちろん、正解は一つではありませんが、何が科学的に正しく何が明らかに間違っているか、それを見極めた上で適切な対応をとることが現代に生きる我々に求められています。複合的視野に立脚した理学的素養こそが大切であると私たちは考えます。

 環境科学コースでは主に、地球科学、化学、生物学、プログラミング、モデリングなどを学びます。本コースで身につけたこれら広範囲の知識と理解力、思考力、応用力は、私たちが直面する様々な環境問題の解決にきっと役に立つに違いありません。また、卒業後は多様な場面でのみなさんの活躍を実りあるものにすることでしょう。多数の要因が関係する複雑な環境問題を正しく理解し、適切な対策を講じるためには、従来の細分化された枠組みにとらわれない柔軟な発想と問題解決能力が必要となります。このような新しい時代の要請に応える人材を育成するために環境科学コースは設置されました。

 環境科学コースは、地球科学、化学、生物学などの従来の理学の分野の枠を越えた境界領域の研究者を集めて構成されています。 環境科学コースの研究では、学問分野の境界を越えて様々な知識や手法を使いますが、中でも複雑な現象を理解するためのデータ解析やシミュレーション、大量のデータを取り扱う高度な情報処理など、計算機を駆使した手法に大きな特色があります。これまでの本学理学部の教育研究実績を活かしつつ、新しい分野を切り開く奈良女子大学ならではのユニークかつ自由度の高い環境科学の教育研究を高い水準で展開します。


教育に対する考え方

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 現在の地球環境は、文明の発達に伴う人類の過度な活動によって、様々な問題に直面しています。

 これらの問題を正しく理解し、その解決を考えることのできる人材を育てることが環境科学コースの目標です。環境科学コースの教育は、地球環境、生命、化学の幅広い現象を実習や実験を通して理解し、環境問題について考える能力を身につけることと、自然現象を解析したり、モデル化してシミュレーションを行う技術を身につけることの2つが柱となります。

 環境科学コースは、科目の選択でも、卒業研究の分野でも、自由度が大きく、それぞれの学生の個性に応じて学んでいける場となっています。多くの講義科目、実験、実習、野外実習がありますが、必修科目は少なく、自分の興味、目的にあったものをより深く学ぶ時間がとれるようになっています。また、卒業研究では、地球環境科学分野、数理生命システム分野、環境化学分野、生物環境学分野の4つの分野の中から一人の教員の指導を受けて、最先端の研究を行います。このように広い分野の教員がいますから、自ら熱意を持って取り組むことができる研究課題を必ず見つけられることでしょう。

 また、このコースの特徴の一つとして、最新の計算機環境を用いたプログラミングやデータ処理の演習等の授業が1回生の最初から3回生の終わりまで途切れずにあり、シミュレーション等の計算機を活用する能力をしっかりと身につけることができるようになっていることが挙げられます。 プログラミングやデータ処理などの計算機を駆使するスキルは、環境科学のみならず全ての科学分野で求められる重要なものです。環境科学コースでは、環境科学に関する専門的な知識と計算機利用スキルの習得に重点を置いた教育を実施します。


求める学生像

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 環境科学コースでは、大学4年間の間に、地球環境全体を包括的に理解しようとする高い意欲のある学生を求めています。そのためには、化学・生物科学・地球環境科学だけではなく、数学、物理学、情報科学も含めた幅広い自然科学の素養が必要とされます。地球規模の環境問題への取り組みや、現代科学のグローバル化に鑑み、英語については特に十分な能力を身につけておくことが望まれます。

 環境科学コースでは、身につけた知識と技術を、将来環境問題に関連する様々な分野で積極的に生かしたい、という情熱と志のある学生の入学を期待します。環境科学を学んで人類が直面する様々な問題を解決したいという学生の意欲は、熱意ある教員達によってしっかりと受け止められるでしょう。


教育・研究分野

環境科学コースの教育・研究分野の紹介

地球環境科学分野

衛星から観る地球環境
 人工衛星で観測される地球環境に関わる様々な要素を分析し、現在の地球環境変動の状況を的確に把握します。これら諸変動の相互関係を分析し、変動を引き起こす過程を解明します。リモートセンシング手法の開発から地球環境変動のシミュレーションまで、幅広い研究を行っています。

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数理生命システム分野

生命の仕組みを数式で考える
 生態系、生物進化、生物と物理化学的環境との相互作用などについて数理モデルを構築し、計算機シミュレーション等により解析します。数理モデルとして抽象化することにより現象の本質を理解し、将来予測を行ったり、保全等に有効な対策を提案します。

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環境化学分野

環境問題に化学の視点から取り組む
 文化財の保存や考古学の発展に寄与する機器分析の開発、あるいは環境分析に利用できる化合物や環境に負荷を与えない機能性化合物の合成などを行っています。 最先端の分析機器として、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)およびナノ液体クロマトグラフィー-エレクトロスプレーイオン化(nanoLC-ESI)質量分析、高感度ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)などを用いたペプチドの分析、さらに揮発性有機物の分析に有効であるイオンモビリティスペクロメーター(IMS)装置の開発や、質量スペクトルとの組み合わせによって存在するカビの種類を判定できるソフトウェア ”MVOC Finder”の開発などを行っています。また、世界最高性能の放射光発生をもつ大型放射光施設「SPring-8」に設置のX線小角散乱装置を用いて、環境適合型分子集合体の構造を調べています。

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生物環境学分野

環境問題への生物学的アプローチ
 生物は、分子・細胞・個体・集団といったさまざまなレベルで環境から影響を受け、また環境に影響を及ぼしています。このような生物と環境との相互作用を、分子生物学や生理学、生態学といった既存の学問の融合領域で研究し、教育に活かします。また、地球温暖化、化学汚染、保全といった環境問題に対して生物学的にアプローチします。

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教員スタッフ一覧

地球環境科学分野
村松 加奈子
教授
リモートセンシング
衛星データの画像処理による陸域自然環境変動の研究
キーワード:リモートセンシング,総生産量,純一次生産量,土地被覆分類
久慈 誠
准教授
大気科学
気象観測データ解析による大気環境の研究
キーワード:雲、エアロゾル、水蒸気、日射エネルギー
野口 克行
准教授
地球および惑星大気科学
衛星・探査機等のデータ解析による地球および惑星大気環境の研究
キーワード:惑星大気、火星、金星
数理生命システム分野
高須 夫悟
教授
数理生物学
生物集団の構造および進化に関する数理的研究
キーワード:数理モデル、生態学、動物行動学
高橋 智
教授
数理生態学
研究室HP
生態系の個体群動態と進化の数理モデルを用いた研究
キーワード:左右性,頻度依存選択,振動,不和合性,進化
瀬戸 繭美
助教
数理生物学
数理的手法による生物と物理化学的環境の相互作用に関する理論研究
キーワード:地球微生物学、生態系生態学、環境リスク
環境化学分野
三方 裕司
教授
環境分析化学
環境分析のためのツールとなる化合物の開発
キーワード:蛍光、センサー、亜鉛イオン、カドミウムイオン
吉村 倫一
教授
環境コロイド化学
環境負荷低減型界面活性剤の開発とコロイド粒子を用いた汚染物質の除去に関する研究
キーワード:界面活性剤、環境負荷低減、コロイド、環境汚染物質
生物環境学分野
酒井 敦
教授
環境生物学
研究室HP
化学物質を介した植物個体間相互作用(他感作用)の生理生態学、生化学
キーワード:他感作用、接触形態形成、光合成、過敏感細胞死、葉の赤色化
遊佐 陽一
教授
応用生態学
淡水・海洋生物の生態・保全・防除に関する研究
キーワード:貝類,甲殻類,生活史,種間関係,外来種
井田 崇
准教授
進化生態学
研究室HP
植物の繁殖生態に関する研究
キーワード:進化生態学,フェノロジー,ポリネーション,交配様式,資源分配
片野 泉
教授
陸水生態学
研究室HP
陸水生態系の生物多様性維持機構と保全に関する研究
キーワード:河川,水生昆虫,食物網
佐藤 宏明
准教授
陸上生態学
研究室HP
動物と植物の相互関係に関する実証的研究
キーワード:寄生蜂,生活史,潜葉性昆虫,鱗翅目,系統地理
奈良 久美
准教授
環境生物学
研究室HP
植物の環境に応答した生長制御に関する研究
キーワード:シロイヌナズナ MRI 概日時計 高温ストレス 塩ストレス

カリキュラム

環境科学コースのカリキュラムの特徴

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 環境科学コースの教育は、地球環境、生命、化学の幅広い現象を知り、理解することと、それらを解析、モデル化し、計算機シミュレーションを行う技術を身につけることの2つが柱となります。

 化学生物環境学科の多くの科目から自由に選んで授業を受けることができ、実験、実習、野外実習なども1、2回生向けのものの多くから、興味に応じて選択して受講し、実際の現象に触れることができます。

 一方、計算機は、数年ごとに更新される最新の環境が維持され、それを用いたプログラミングやデータ処理の演習等の授業は1回生の最初から3回生の終わりまで途切れずにあり、シミュレーション等の計算機を活用する能力をしっかりと身につけることができるようになっています。

 計算機シミュレーションに必要なプログラミング、数値計算法を除くと必修科目は少なく、化学、生物学、地球科学の現象のうち自分の興味、目的にあったものをより深く学ぶ時間がとれるようになっています。

 4回生では、地球環境科学、数理生命システム、環境化学、生物環境学の広い分野の中から一人の教員の指導を受けて、最先端の研究を行います。これらの広い分野の中には、自ら熱意を持って卒業研究、課題研究に取り組むことができるものを見つけられると思います。

 環境科学コースは、科目の選択でも、卒業研究の分野でも、自由度が大きく、それぞれの学生の個性に応じて学んでいける場となっています。

 環境の現象について深く知ることと、それを解析し、対策の有効性を調べるシミュレーション等の計算機を活用する能力を身につけることは、その後に就職する場合でも進学する場合でも、自分の人生を切り開いていく力を与えてくれるでしょう。


カリキュラムの内容

1年次

 化学生物環境学科および環境科学コースでどのような研究がされているか、環境科学とは何かについて学びます(「化学生物環境学入門」、「環境科学概論」)。環境科学の研究では自然現象のモデル化と計算機シミュレーションが大きな役割を果たしますが、計算機シミュレーションを行うためのCプログラミングの基礎的な知識を身に付けます(「環境科学基礎プログラミング」、「同演習」、「環境科学応用プログラミング」)。また、自然現象を数式で表現し、その性質を調べるための基礎的な数学の知識を学びます(「化学生物環境数学1,2」)。環境科学は地球科学、化学、生物学など様々な分野と密接に関わっています。学生の興味に応じてそれらの入門的講義、実習、実験科目を選んで履修します。

    【主な科目】
  • 化学生物環境学入門
  • 環境科学概論
  • 環境科学基礎プログラミング
  • 環境科学基礎プログラミング演習
  • 環境科学応用プログラミング
  • 化学生物環境数学1,2
  • 地球環境科学1,2
  • 地学実験 I
  • 基礎化学 I-IV
  • 化学基礎実験1
  • 生物多様性学
  • 生物環境科学基礎実習 I-II
  • 生物環境科学基礎演習 I-II
  • 森林生物学野外実習
  • 河川生物学野外実習
  • 海洋生物学野外実習

2年次

 計算機に関係した科目では、環境科学のためにより実践的に計算機を活用します。数値シミュレーションを行うための数値計算の知識とプログラミングの手法(「数値計算法」、「環境科学応用プログラミング」)、観測、実験データの統計解析手法、統計ソフト使用法、大規模データのプログラムによる処理などを学びます(「生物環境統計学」、「環境科学実践プログラミング」)。また、地球環境と化学物質、生命の密接な関わり扱った科目や(「生命圏の地球化学」)、化学、生物学のより専門的な科目から学生それぞれの興味に応じて履修する科目を選びます。地球環境科学1,2は隔年開講のため入学年度により1年次、2年次のいずれで履修するかが変わります。

    【主な科目】
  • 数値計算法
  • 環境科学応用プログラミング演習
  • 環境科学実践プログラミング
  • 環境数学演習
  • 生物環境統計学
  • 地球環境科学1,2
  • 生命圏の地球化学

3年次

 環境科学に関連した様々な科目から自由に選択し、環境科学の幅広い知識を身につけます。多くの科目は以下のように環境科学コースの4つの分野に対応し、4年次の卒業研究への自然な導入ともなっています。
 地球環境科学 -- 「光の大気環境学」、「大気化学入門」、「陸域リモートセンシング」、「大気環境データ処理」。
 数理生命システム -- 「環境リスク論」、「個体群動態の数理」、「数理モデリング」
 環境化学 -- 「グリーンケミストリー」、「環境機能化学」、「環境分析化学」、「環境生物化学」
 生物環境学 -- 「保全生物学」、「進化生物学」、「微生物科学」、「生物環境科学特論1-6」、「個体・集団生物学特論1-6」
 また、「環境科学計算機実験」では、環境科学の最先端のテーマに関連した数値シミュレーションのプログラミングの実習が行われます。

    【主な科目】
  • 実践環境科学英語I・II
  • 環境科学計算機実験
  • 光の大気環境学
  • 大気化学入門
  • 陸域リモートセンシング
  • 大気環境データ処理
  • 環境リスク論
  • 個体群動態の数理
  • 数理モデリング
  • Javaとモバイルプログラミング
  • グリーンケミストリー
  • 環境機能化学
  • 環境分析化学
  • 環境生物化学
  • 保全生物学
  • 進化生物学
  • 微生物科学
  • 生物環境科学特論1〜6
  • 個体・集団生物学特論1〜6

4年次

 「地球環境科学」、「数理生命システム」、「環境化学」、「生物環境学」の4つの分野のいずれかの教員による個別指導のもと、卒業研究で最先端の研究を行います。卒業研究を通して、主体的に研究に取り組み、問題を解決する力を養います。研究成果は卒業論文にまとめ、また卒業研究発表会で発表します。4つの分野は環境科学の広い範囲をカバーしているので、学生の皆さんがそれぞれ興味を持ち、熱心に取り組むことができるものが、きっとみつけられると思います。

    【主な科目】
  • 卒業研究 I-IV
  • 地学実験 II

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