留学体験記<フランス>

ディドロ(パリ第7)大学

私は、フランスのパリ・ディドロ(パリ第7)大学に留学しました。帰国してから早4ヶ月が経ちますが、パリで過ごした10ヶ月は長いようであっという間で、本当に夢のような日々でした。

留学での最大の学びは、人生を楽しくするのもつまらなくするのも全て自分次第だということです。「人生」と言い切ってしまうのは少し大袈裟かもしれませんが、それぐらい留学での学びは、私の生き方に大きな影響を与えるものであったと思います。出発前の私は、自分の中で「理想の留学」像が勝手に出来上がっており、“外国人の友人をたくさん作って、英語とフランス語を駆使して国際交流をするんだ!”と意気込んでいました。しかし蓋を開けてみると、意外にも日本人留学生が多かったり、他の留学生と出会うチャンスだと考えていた寮は完全個室のマンションのようであったりと、私の期待とは異なる環境で、日本人と話すことの後ろめたさや、求めていたような国際交流がないことへの味気なさを感じていました。しかし1ヶ月が経ち、周りの留学生が無邪気に楽しんでいるのを見て、なぜ私はあまり充実感を得られていないのだろうかと考えるようになりました。そして、行き着いた答えが、自分の凝り固まった価値観が自分自身を苦しめているのだということでした。誰と過ごそうと、何をしようと、私が交換留学生としてパリに来たその日から私の留学ストーリーは始まっているのです。それならばもう、フランスでしか体験できないことをパリジェンヌになりきって存分に楽しんでやろうではないか、と良い意味で開き直ることができました。美術館へ行ったり、ピクニックをしたり、セーヌ川沿いでくつろいだり。クリスマス休暇の際には、アヌシーという町にある友人の家で2週間のホームステイをさせていただきました。向こうでできた友人の存在は大きく、分量が多くて大変な課題も、面倒でなかなか進まないフランスの事務手続きも、乗り越えられたのはすべて友人たちのおかげだと思っています。また、友人や街の人との交流を通して、パリの多様性に触れることができました。「フランス人」と言っても、みな出自は様々です。純日本人の私が、自分が「外国人」だと感じさせられることなく生活できたのは、多様性に溢れたパリであったからではないかと思います。

フランスは夏のバカンスが長い分、前期と後期の休みがないまま一瞬で一年が過ぎ去ってしまいます。悩んでいる時間がもったいなかったという後悔はありますが、その経験が今の自分を奮い立たせてくれているのだと思います。どんな留学にするのかは自分次第。大抵のことはどうにかなるので、まずは留学への第一歩を踏み出してみてください。奈良女から新たなパリジェンヌが生まれることを期待しています。

パリ第七大学

私は2014年9月から2015年6月まで10か月間、フランスのパリへ留学しました。フランス語は大学から始めたばかりだし、一人暮らしは初めてで、海外もまだ2回目。一人であれこれ行動するのもほぼ初めてだったので、出発まで自分も家族も不安いっぱいでした。しかし、パリは、そんな不安を一気に吹き飛ばすほど魅力的な町でした。パリにはたくさんの人がいます。日本人を含め、たくさんの外国人がいました。彼らから学んだことはたくさんあります。フランス文化だけでなく、他の国の文化も知りました。

パリには美術館や博物館があふれていて、しかも多くが26歳未満のヨーロッパの学生であれば無料で入れました。その機会を利用し、あちこち美術館に行きましたが、それは私にはとても新鮮でした。美術館の他には、公園や広場もたくさんあって、天気のいい日は最高です。人と触れ合いたいならマルシェに行ったりパン屋さんに行ったり。気さくな方が多いのですぐ仲良くなれます。

留学先の大学、パリ第七大学は、パリの中では治安の良い、新興地区に位置します。私は心理学専攻で、心理学の授業をたくさん受講しました。欲張って授業をたくさん受講したのは大変でしたが、日々の積み重ねは、フランス語の力にもなり、専門知識も身に付き、今でも毎日頑張ったことは自分の自身になっています。日本語学科の先生や生徒さんを始め、大学にはサポートしてくれる方がたくさん備わっていて、いつでも力になってくれました。彼らに質問に行ったりメールを送ったりすることだけでも語学の勉強になりましたし、毎日なんでも勉強でした。

帰国してから、多くの人から「顔付きが変わった」、と言ってもらいますし、自分でもそう感じます。長くも短くもあった留学期間は、私に大きな成長をさせてくれたようです。