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奈良女子大学宇宙物理学研究室

天の川銀河 Milky Way

 

天の川銀河とは?

私たちが住む太陽系が属している銀河のことを銀河系(the Galaxy, Milky Way)と呼びます。 天の川はこの銀河系を地球から見た姿で、中心領域は天の川が最も濃くなっているいて座の方向にあります。
天の川銀河は、様々な波長で明るく輝いており、それぞれの波長で見え方が異なります(図1)。 わたしたち人類はさまざまな波長で宇宙を観測することによって、宇宙についての新しい情報を得てきました。

さまざまな波長で見た天の川銀河(c)NASA
 

下図はチャンドラというX線衛星で観測されたの銀河中心の様子です。赤色が低エネルギー、緑色が中くらいのエネルギー、青色が高エネルギーで表現されています。

(c)NASA
 

X線による観測では、星間物質の向こう側を見ることができます。数百万度のガスの中に埋もれた白色矮星、中性子星、およびブラックホールの存在を明らかにできます。
  天の川銀河の中心付近の領域を銀河中心、その周りの少し膨らんだ部分をバルジ、バルジを取り巻く円盤状の構造を銀河円盤、またこれら全体を取り巻く部分をハローと呼びます。 銀河中心は様々な天体と現象が混在する特異な領域です。強力な電波源や巨大な星団、ダイナミックに運動する星間物質などがあらゆる波長で観測されています。 そして、その中心にはいて座Aという、太陽の400万倍もの質量を持つ超巨大質量ブラックホールが存在しています。 現在は低い活動性を示していますが、300年程前は活発に活動していたと考えられています。
  天の川銀河からのX線は、銀河中心のいて座AからのX線を反射して放出される蛍光X線や高温プラズマに付随する様々な輝線、連星系からのX線、超新星残骸からの放射などが観測されています。  

X線で輝く天体

X線で明るく輝く天体の多くは連星系です。 X線連星系とは、中性子星、ブラックホール、白色矮星といったコンパクト天体(主星)と恒星(伴星)との近接連星系のことで、 伴星の物質が主星の表面に降着し、その過程でエネルギーを放出しています。  

研究テーマ

天の川銀河に付随する拡散X線放射

天の川銀河には、個々の天体に分離することができない拡がったX線放射(銀河面X線放射、Galactic Diffuse X-ray Emission: 以下GDXEと略す)が存在しています。 X線スペクトルの観測から、それは数千万度の温度の希薄なプラズマからの放射であることがわかっています。 いったい何がそのような高温の放射を生じさせているのでしょうか。  

天の川銀河全体に真に拡がったプラズマからの放射であるとすると、そのプラズマの全熱エネルギーは超新星爆発1万-10万発分にも相当する巨大なエネルギーです。しかし、数千万度の温度のガスは高温すぎて銀河の重力で閉じ込めておくことはできません。私たちのまだ理解していない方法で閉じ込められているのでしょうか。このプラズマが超新星爆発で形成されてきたとすると、数年に1回の割合で超新星爆発が必要という計算結果になり、これは、銀河の中でおこる超新星残骸の発生率を大きく超えてしまいます。では、どのような方法でプラズマガスはつくられているのでしょうか。真に拡がったプラズマではなく、観測装置の検出限界以下の暗い点光源が集まっているため、拡がった放射のように見えるという説も考えられます。その場合、GDXEと類似のスペクトルを持つ天体がたくさんなければいけませんが、そのような候補天体は見つかっていません。私たちの知らない種族の天体がたくさん存在しているのでしょうか。  

拡散プラズマ説、点光源説のいずれの場合でも、私たちの天の川銀河の理解を超えた現象であることに間違いありません。発見以来、40年以上が経過した現在においても未解決となっているGDXEの起源を探っています。