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ICTで未来の暮らしをデザインする:
生活情報通信科学コースと研究の魅力

【ならじょ Today44 号掲載】

松本 尚

松本先生

生活環境学部?文化情報学科 生活情報通信科学コース

【研究テーマ】計算機アーキテクチャ 

―― 生活情報通信科学コースの特長はどんなところですか?
 情報や通信に関しては、工学部の情報工学科や理学部の情報学科と同じレベルのことを学びます。ただ、これらの学部と違うのは、文系からでもわかるように基礎的なことからスタートするところです。実際、研究室には文系出身の学生が半分くらいいます。学部を終えて修士課程まで進学すると、大手企業の研究職に就く学生もいるので、文理問わず学びを深められるのがコースの強みです。

―― 先生が研究されている分野について教えてください
 子供の頃から電子工作が大好きで、コンピュータをICの基板から自作していました。大学では好きな物理とコンピュータを学び続け、就職後は企業の研究所で並列計算機の開発を専門にしていました。そこでオペレーティングシステムが必要になり、複数の計算機を束ねて動くシステムを作り始めたことが今の研究につながっています。
  現在研究室の学生が主に取り組んでいるのは、深層学習(ディープラーニング)で画像処理をし、物体検出や流行抽出をすることです。その中でもOCRに力を入れています。OCRとは、手書きや印刷された文字を読み取り、デジタル上で扱える文字データに変換する技術です。これまでは、どこに文字があるかを事前に調べて1文字ずつ文字を検出していましたが、深層学習の物体検出の技術を適用し、一度に多くの文字を検出できるようにしました。効率が上がり、精度も出ています。早く実用レベルにして一般公開したいなと思っています。
  また、物体検出を速く行うことにも力を入れています。自動運転で人を認識すると自動的に停止させるなど、カメラで写したものが何であるかをリアルタイムで判定する研究をしています。持ち運びができるリアルタイム物体検出器という形で車に搭載できるようなハードウェアの研究開発もしています。

―― 情報通信科学を学ぶことで、社会で貢献できるどのような人材になれると思いますか?
 ICTで便利な社会になり、スマートフォンでも色々楽しんでいますよね。それをより良い方向に進めたいと考えています。生活環境学部では「ウェルビーイング」と言っていますが、永続する幸福度を高めるためにICTを使いたいですね。今の資本主義社会では、自分のグループ企業のウェブに注目させて、「ポイントをあげますよ」とか、「サービスが使えますよ」といったことに情報技術が使われているような気がしています。そうではなく、みんなが幸せになる方向でどうすれば情報技術が使えるのかなと考えています。あとはデジタルディバイドをなくしていけるといいですね。情報技術を使って、お年寄りやスマートフォンをあまり使いこなせていない人たちにも、便利でより幸せに生きやすくなるような支援ができると思います。
 生活環境学部の学部長として、「世の中を便利に幸せに」という生活者目線でいつも考えています。そういった研究促進のお手伝いができたらいいなと思っています。

―― 大学院での研究生活を通してどのような力が身につきますか?
 大学院に進学しないと本格的な研究ができません。なぜなら学部で実際に研究を始めるのは、どの研究室も4年次になってからで、授業と卒論を教員の指導範囲内で少し手を動かす程度で終わってしまうことが多いからです。自分で思いついたことを試すのは、大学院に行ってからだと考えています。大学院での深い研究経験は、社会に出て働くときに応用できます。研究をする中で周辺のことも調べ、知識もどんどん広がります。「困ったときはこんなふうに解決したな」という経験がいつか役に立ってくれるはずです。大学院に進学して、高度情報専門人材になり、日本の社会を支えてくれることを期待しています。

―― 奈良女の大学院で学ぶ良さや強みは何でしょうか?
 女性のロールモデルがたくさんいることですね。卒業生には有名な企業の開発職で働いている人もいます。自分の行きたい企業や職種で活躍している先輩がいると、励みになりますよね。共学では、まず男子学生と競争して勝ち残っていかなきゃいけないという雰囲気があるかもしれません。そういうところで女子の方が身を引いてしまうこともありますが、それが女子大には少ないと感じます。共学で女子枠を設けても、いまだ男性社会の部分も多く、男性の目を気にするというのは、本当のジェンダー平等ではないと思います。生活環境学部の教授は女性の方が多く、女性リーダーを育てる環境にあります。主体的に何事にも取り組める環境の中で、しっかりと自分の意見を主張することができ、活躍している女性の先輩方を見ながら進んでいけるところが良さや強みだと思います。

―― 情報通信分野の未来について、どのようなビジョンをお持ちですか?
 AIの進歩により、ますます便利になっていくと思いますが、人間を超えるかというと、そうではないと私は思っています。もちろんコンピュータの計算スピードや記憶力は人間より優れていますし、最近流行りの生成AIは驚くような文章を作ることもできます。しかし、生成AIはインターネット上の情報で学習しているので、ネット上にないような少し捻った問題では歯が立たず、AIの出した答えが本当に正しいのかを見極める必要がありますね。
  また、一部の企業がシェアを奪い合って利益を独占するのではなく、みんなが幸せになれるようなスキームを作ることに情報技術が使われる、そんな社会になるといいですね。それは情報技術だけの話ではなく、社会のあり方そのものにも関わってきます。そのため、ただ技術を極めるだけではなく、生活環境学としても文系の学問を取り込んで、どういう制度にしていけばよいのかというところまで考えていきたい。そうして世界中のみんなのウェルビーイングが高まるような方向に行けばいいなと思っています。その技術的な側面として情報通信技術を使って支えていきたいです。

―― 最後に学生へメッセージをお願いします
 女性だからと遠慮せず、主体的になんでもやってほしい。そして、何かが行われていたら、その裏にある仕組みまで想像してみてほしい。私はいろいろな経験を重ねる中で、世の中にはいろいろな人がいるということを学びました。コンピュータやプログラムの仕組みを理解するのはもちろん、世の中の仕組みも理解し、それに振り回されない良い人生を歩んでください。
 私は高度情報専門人材を世の中に送り出していきたいと思っているので、生活情報通信科学コースに来てくれると嬉しいです。そして様々な仕事や職種にチャレンジして活躍してくれたら、後輩たちにとっても励みになると思っています。『チャレンジすれば、チャンスはあります。』

安藤先生

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