<公開講座の様子/平成27年 10月 17日>

『講座名』 龍門文化の善本から
『講  師』 鈴木広光 (奈良女子大学 教授)
        岡ア真紀子(奈良女子大学 准教授)


『公開講座風景写真』


 「龍門文庫 知られざる奈良の至宝」と題して奈良国立博物館特別陳列が2002年に行われましたが、吉野郡吉野町にある龍門文庫は、実業家の阪本猷さんが昭和初期に蒐集した一千点を越える古典籍の善本を集めた文庫です。 その内容は、雑宝蔵経巻第一(光明皇后願経)、花鳥余情(一条兼良筆)といったものから、それから(夏目漱石直筆)、玄鶴山房(芥川龍之介自筆)まで、写経、写本、版本、自筆本など、多岐にわたり、いずれも貴重なものばかりが揃っていると、当時の説明にもあります。
 その文庫紹介および、ちょっと変わった角度からそれらの文庫本の研究内容についての講座でした。書の内容よりも奥書(著作や写本などの巻末に書かれている文、古来、用紙の右端を端、左端を奥と呼ばれたそうです。)についてや、かな本を活字に分割したときに見えてくるこだわりなどが紹介されました。新しい視点での新しい知識に面白かったというアンケートコメントが多く寄せられました。
 なお、阪本龍門文庫の一部書籍は本学学術情報センターにて、電子画像集としてご覧いただくことができます。
 阪本龍門文庫 善本 電子画像集


『受講者アンケートより』


・45分とは思えない、中身のぎっしりつまったお話をありがとうございました。俊頼を卒業論文で勉強したので、とても関心をもって来ました。
・書写者が本文と奥書で書体を変えることがあるというのが興味深かった。
・活字印刷において、横に字が並んでいるように見えないようにとか、かなはつながっていてこそ美しいとか、今とは違うこだわりがあったとわかって面白かったです。

 
 作成・管理:奈良女子大学社会連携センター