「日本の歴史教育での唯一の論争はこの邪馬台国問題だけど、それって変じゃないですか?もっといろいろな話題で論争があってもいいじゃないですか?」とシンポジウム終了時に小路田副学長コメントがありましたが、人の意見を聴き、そして自分の持論をさらに磨くことがきっと大好きで、寄れば意見交換が終わらないといった3人の方々の論議は、まだまだ何時間でも聞いていたい楽しいものでした。シンポジウムは最初に東海大学北條先生から北九州ー丹後ー大和の邪馬台国連合と、備前・日向ー吉備・讃岐の狗奴国連合についての説、続いて本学小路田副学長から魏志倭人伝に残る「南、邪馬壱国に至る、女王の都する所、水行十日陸行一月」の行路を、日本海側より、本州を横断する山脈が一部途切れる海抜の低い由良川・加古川ルートから大和に入れば説明がつくという説が紹介されました。さらに狗奴国は、熊国を語源とし、湯国、つまり鉄を輸入していたのではないか、そして我が国の輸出物は硫黄であり、このように推論すると説明つきやすい神々の名があると紹介されていました。白熱する議論を聞くことはとても楽しかったのですが、終盤には自分も持論をもって参戦してみたい、そんな気持ちがわいてきました。
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