昨年度に引き続き正倉院展を前に、奈良国立博物館で正倉院展を担当されている内藤栄先生(同館部長補佐・工芸考古室長 専門は仏教工芸史)の公開講座を開催しました。今年度は「なぜ宝物が大仏に献納されたのか・光明皇后はどのような祈り(想い)を献納に籠めたのか。」という視点で、残存する資料を基に講義されました。講義の前に、基礎知識として、○正倉院といえば聖武天皇のイメージが強いが、9千余件の宝物のうち、聖武天皇ご遺愛品は百件あまり。○正倉院の南倉は明治時代以前は勅封ではなく綱封(東大寺管理)であった。○正倉院御物と正倉院宝物という言葉は使い分けられている。といったことも教えていただきました。
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